ササキが選ぶ2018年の年間ベストディスク
超ひっさしぶりに年間ベストディスク記事でブログ更新です。良かった順で、2018年にリリースされたアルバム10枚。
1. Juice=Juice『Juice=Juice #2 -!Una mas! -』
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アイドル、ポップス
2. 前野健太『サクラ』
ポップス
3. Jon Hopkins『Singularity』
テクノ、ハウス
4. イヤホンズ『Some Dreams』
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声優、ポップス
5. 春ねむり『春と修羅』
オルタナティブ・ロック、ヒップホップ
6. 高木正勝『未来のミライ オリジナル・サウンドトラック』
7. Natalia Lafourcade『Musas vol.2』
メキシカン・フォーク、ボレロ
8. Noname『Room 25』
ジャジー・ヒップホップ
9. deafheaven『Ordinary Corrupt Human Love』
10. Avantdale Bowling Club『Avantdale Bowling Club』
モード・ジャズ、ジャジー・ヒップホップ
個人的に2018年は生まれてから36年間の中で一番アイドル・ポップスが充実した年だったと思います。特に上半期は毎週のようにインディ・アイドルの多種多様なヤバい楽曲がドロップアウトされて面白くてタマんなかったです、世間的にはもうアイドルブームが終息に向かっている雰囲気になってますけど。アルバム単位で言うと・・・・・・・・・(dots tokyo)、LADYBABYの旧体制ベスト、HAMIDASYSTEMのミニアルバム2作とかが印象に残っています。メジャーアイドルでは何せ虹のコンキスタドールとたこやきレインボーのアルバムの完成度が高かった。大ポップス経典と言った感じ。虹コンとたこ虹、ファンになりました。メジャーデビューしたsora tob sakanaは相変わらず名曲連発だったんですけどちょっと過渡期かな…思わせる感じもあり来年に期待したい。贔屓にしているハロー!プロジェクトのグループもやっぱり傑作が続いていて、Juice=Juice、つばきファクトリー、ハロプロ研修生のアルバムはいずれもハロプロ史に残る名盤、単純に曲の良さで考えて2018年の年間ベストディスクはJuice=Juiceの2nd(のDisc 2)にしました。ソロアイドルだと篠崎愛とMANONちゃん(アイドルというカテゴリーに入れていい人なのかどうかはわからないけど)が良かったです。
アイドル以外の日本のロック/ポップスは、あんまりバンド物が聴けなかった感じ。愛聴したのはどついたるねん(なんか今バンドが危機的状況になってる…?)、国内よりむしろ海外で話題になっている幾何学模様。あと10数年ぶりに「the pillowsって良いな」って思えた年でした。バンド物よりもシンガーソングライター系で良い出会いが多く、綺羅びやかな歌謡曲集だった前野健太、青葉市子の最高傑作、こんな素晴らしい歌声の人がいるのかと驚いた優河、久しぶりのリリースとなった土井玄臣など。穏やかな音楽を好んで聴いていた1年だったかも。でも春ねむりの「ポスト神聖かまってちゃん」って感じのオルタナな変貌ぶりにも感心しました。彼女にはもっと無茶苦茶な音楽をやってほしいです。その他、引き続き水曜日のカンパネラ、三浦大知とかにはJ-POP新時代を感じました。
海外に目を向けると、欧米のポップスは完全にブラックミュージックが席巻しているみたいで、2018年は自分の周りでもやたらメインストリームのヒップホップ、R&Bが話題になっていたんですけど、僕は相変わらず売れている音楽に対して「そんなに良いもんなのかなこれ」って感じで捻くれた先入観で聴いてしまうので馴染めないままでいます。でも個人的に嬉しかったのはジャズっぽいヒップホップを聴く耳を持てたことでして、SabaやNonameなどの生バンドラップが大変気に入りました。どちらかと言えばヒップホップというよりジャズのカテゴリーに入ると思うんですけどAvantdale Bowling Clubのアルバムは傑作だったと思います。ジャズと言えば、カマシ・ワシントンの新作もまたアホみたいな演奏ばかりで面白かったです。あとはなんだろ、みんな大好きジャネール・モネイも当然のように良かったし、ヒップホップで言えばJPEGMAFIAのアングラ具合にも痺れました。
海外のロック系に関しては…良い曲良い盤がちゃんと点在してはいるのでしょうがどうしても盛り上がりに欠けるというか、はい、2018年もインディーロックとかはあまり聴きませんでした。良かったのはシューゲイザー・ブラックメタルからエモいポスト・ロックバンドに変身した米国のdeafheaven、名実ともにパンクキッズのアイドルとなった英国のIdles、時代錯誤だとしてもドラマティックなコンセプトアルバムを作ったカナダのFucked Upの3枚。今のロックに必要なのは「クールさ」よりも「エモさ」なんじゃないでしょうか。エモさで言うと、ロックではないですがFather John Mistyのアルバムのおセンチな感じが素晴らしかったです。
英語圏以外の音楽もあんまり聴けなかったなあ、唯一のお気に入りはナタリア・ラフォルカデの連作アルバム第二段。ナタリアはディズニーアニメ「リメンバー・ミー」の主題歌を担当したので日本でもブレイクするんじゃ、と思ったんですけど全くそんなことなかったのが残念です。
その他、エレクトロニックなやつもあんまり聴けず、思い出せるのはJon HopkinsとObjektくらい。どちらも前作に引き続き最高、って感じ。
アニメ・声優関連ではとにかく声優ユニット、イヤホンズのアルバムが良かった。2010年代のアニソン版『オペラ座の夜』とも言えるべきシンフォニー作品でした。クチロロ三浦康嗣のラップミュージカルナンバーとJ・A・シーザーの歌曲が同居して違和感がないというトンデモナイやつです。
ジョニー・グリーンウッドと高木正勝のサントラ仕事は本当にハズレがなくて、特にポール・トーマス・アンダーソン監督作の『ファントム・スレッド』の美しい劇伴にヤラれ、作品的には微妙な評判となってしまった細田守監督の『未来のミライ』はとにかく音楽は最高だったと思います。いや、映画本編も結構好きなんですけども。少なくとも『バケモノの子』よりは面白かったと思うんだけどな…
そんな感じの極私的年間ベストディスクでした。2019年も嬉しい音楽・楽しい音楽いっぱいあるといいね。牧野真莉愛。
2016年暫定年間ベストディスク(8/14現在)
2016年で聴いた音楽ソフトの暫定的なベスト10枚です。ブロガーがやる年間ベスト記事みたいなの大好きなんですよ。みんながやってるの見る度に俺もやりてえなあって思うんですけど、大体思うだけで実現しないというか、いざやるとなると億劫になってしまうわけなんですが、今年もね、上半期が終了した時点で「よし、上半期ベストをやろう」なんつって意気込んでみたものの? いつの間にか6月末から1ヶ月半も経ってしまいましてですね、こんなお盆の時期に「上半期ベストディスク」なんて記事を投稿するのもなんだか気恥ずかしいので、もう上半期とか関係なく今年の現時点での暫定ベストっていうことでね、気に入ったアルバムを10枚、上げたいと思います。ちゃんと順位をつけました。2016年のシーンの動向といえばなんでしょうか、インディ・ロックは完全に瀕死状態で、ポップ・ミュージックの旺盛が救いです。ササキ個人としましては、よりアングラでサイケデリックな音楽とアイドル・ポップスに逃避している感じでしょうか。旧作は60年代後半から70年代前半の国内外のものを聴いています。70年前後の日本のロックって面白いですね。それではササキの10枚です。
10. CHIPPENDALE - GUSTAFSSON - PUPILLO『Melt』
インプロ、ノイズ、フリージャズ
ライトニング・ボルトのドラムボーカルの人とThe Thingのサックスの人とZuのベースの人がセッションして生み出した破壊的即興音楽。
9. David Bowie『★』
ロック、ジャズ・ロック
遺作。死ぬまでアートなおじさんだった。
David Bowie - Blackstar - YouTube
8. 岡村靖幸『幸福』
ポップス、ファンク
岡村ちゃんの12年振りのアルバム。普通に『禁じられた生きがい』の2年後とかにリリースされててもおかしくないなと思いました。どポップなシングル表題曲4曲、ちょっとダークなアルバム曲+カップリング曲の4曲、おまけ的なハウストラックが1曲、の計9曲で非常にコンパクト。
岡村靖幸「彼氏になって優しくなって(YouTube Version)」 - YouTube
7. D R O S E『boy man machine』
インダストリアル、ドローン、インターネット・ミュージック
Orange Milk Recordsからデビューした、米国オハイオ州の3人組が鳴らすインダストリアル・ガレージ・ドローン。
6. Kurushimi『Kurushimi』
フリー・ジャズ、ドゥーム・メタル、ポスト・ハードコア、ノイズ
Kurushimi(=苦しみ)なんちゅうバンド名でこんな悪趣味なアートワークだけど、日本のアングラなハードコアバンドとかではなくオーストラリアはシドニーのジャズバンドのデビュー作。Bandcampにて投げ銭制でダウンロード購入可(無銭でもOK)。このアートワークが好きでスマホの待受にしてます。
5. 堂本剛『Grateful Rebirth ふつうよし(通常盤)』
アイドル、ファンク、ソウル、フュージョン
Kinki Kids堂本剛のソロミニアルバム。ジミヘンへの偏愛が希薄になり泥臭さが抜けて垢抜けたサウンドになりました。Pファンク~ミネアポリス・ファンクからの影響を感じますがレトロな印象はなくしっかりとモダンです。
4. 宇宙文明『UCHUBUNMEI III』
スペース・ロック、サイケデリック・ロック
札幌の3人組インストバンドによる3作目。初めて聴いたのですが素晴らしいです。初期のホークウインドあたりを彷彿とさせる、宇宙空間を延々たゆたうスペース・サイケデリア。
3. Swans『The Glowing Man』
The Glowing Man [2CD+DVD / 特殊パッケージ / 国内盤 ] (TRCP203)
- アーティスト: Swans,スワンズ
- 出版社/メーカー: Traffic / Mute
- 発売日: 2016/06/15
- メディア: CD
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ポスト・ロック、ドローン
前2作と同様、まるで邪神召喚の儀式みたいなアングラ&中二病なダークドローンとなっております。
Swans - The Glowing Man (Excerpt) (Official Audio) - YouTube
2. sewi『弱蝕論』
ポエトリー・リーディング、ポスト・ロック、ヒップホップ
詩人、ツインベース、ツインドラムを含む京都の6人組バンドによる初のフルアルバム。ハードコア、ジャズ、エモが入り混じったポスト・ロックな演奏をバックに、近代日本文学を思わせるネガティブな言葉の洪水を朗読ともラップとも言えないような独自のフロウで吐き出しています。
sewi ‘‘灰の雫‘‘ officialMV - YouTube
1. フジロッ久『超ライブ』
インディー・ロック、ポップス、パンク
日本のバンド、フジロッ久(仮)の3rdアルバム。小沢健二の『LIFE』とモーニング娘。の『4th「いきまっしょい!」』に影響下で作られた、エモーショナルソフトコアパンク。
極私的アイドル楽曲大賞2015
今年のアイドル楽曲大賞の結果が出たようなので、自分が投票した曲を晒します。個人的に今年はいつになくどっぷりとハロプロに没頭していた1年でしたので、他のアイドルグループに思い入れを持つこともできず、単純に聴いて良かった曲を選ぶことになりました。
2015年のアイドルシーンはまるで80年代末期のバンドブームのようでしたね。いかすバンド天国ならぬ、いかすアイドル天国です。いろんなグループが現れては消え現れては消えといった感じで、数としては完全に飽和状態。その中でどうやって他のグループよりも目立っていくかと言えば、一番手っ取り早い方法は質の高い楽曲を作って早耳なドルヲタに聞いてもらうことなわけで、全体的な曲の水準はぐんぐんと高くなってるわけですが、今はもう「楽曲が良いから人気が出る」から「人気になるには楽曲が面白くて当たり前」のフェーズになっており、運営さんも大変だなあ、ただの良い曲なだけじゃ動員に繋がんねえもんなあ、とにかく他とは違ったコンセプト、パフォーマンス、音楽ジャンルを考えていかないといけないので正直シンドいんじゃないでしょうか。逆に言うと、面白くて刺激的であればどんな曲を作っていいわけですから、コンポーザーは楽しいでしょうね。実際、下手なインディバンドよりずっと面白い曲やってる地下アイドルが多かったです。それに比べるとメジャーアイドルはちょっと落ち着いてしまった感じなのかな、既に人気がある老舗グループにはなんとなく停滞感が漂ってなくもないような雰囲気でした。悪く言えばアイドルブームが終わりを迎えて、よく言えば文化として定着してきたということなのでしょうか。今後はでんぱやベビメタレベルのビッグバンはなかなか生まれづらいだろうな。
というわけでササキのエントリー曲を紹介します。
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